口腔外科を専門とする医師による親知らずの抜歯
当院では口腔外科を専門に学んできた院長が、親知らずの抜歯についても多くの臨床実績に基づいた技術と知識を駆使して取り組んでおります。
抜歯を行う際には、まずは第一に安全に処置を行うということを心がけ、それに加えてできる限り患者さまが苦しくないように、術中はもちろんのこと、術後もなるべく痛みや腫れが出ないようにということを念頭に置きながら臨んでいます。
早く正確に、少ない痛みで親知らずを抜歯しておりますので、痛みが苦手という方も安心してご相談ください。
なお検査の結果、高度歯科医療機関で治療を受けることが望ましいと判断した場合には、信頼できるドクターが在籍する周辺の医療機関をご紹介しています。
抜歯時の麻酔の選択
親知らずの抜歯では基本的に一般の歯科治療でも使用している湿潤麻酔という局所麻酔を用いますが、湿潤麻酔が効きづらい方には、伝達麻酔という下顎全体に麻酔がかかる特別な方法を採用することもあります。
抜歯を担当する院長は過去に麻酔科の研修を修了しており、麻酔に関する知識と実践経験も豊富です。親知らずの抜歯で麻酔を行った際には、処置の間に呼吸がしづらくなるなど、患者さまにさまざまな変化が起きてくる可能性があり、その時に直ちに対応できるだけの知見を持っておりますので、安心してお任せください。
痛みや手術時間を短くするための取り組み
当院で行う親知らずの抜歯では、十分に麻酔を効かせることと、早い段階で投薬を行うことを心がけています。
抜歯手術前に鎮痛剤をあらかじめ服用する先制鎮痛は、術中術後の痛みを軽減させるのに特に効果的です。親知らずが骨内でどのような状態になっているかは、パノラマレントゲンだけではわからない部分も多いため、CT写真を撮って術前にしっかり診断をした上で計画を立てて抜歯を行っています。
最短時間で抜歯を行うためには、術者が事前に明確なイメージを持って臨むことが不可欠です。なお親知らずの抜歯ではCT撮影は保険適用になりますので、患者さまの負担も少なく済みます。
抜歯後の注意点
うがいについて
親知らずを抜いた後、通常であれば血液が傷口を覆って治癒していきますが、何らかの影響で傷口が覆われずに歯がむき出しになっている状態をドライソケットと呼びます。
この傷口で覆う血液の塊のようなものを血餅(けっぺい)といい、抜歯後に順調に回復していくためにはこの血餅をいかに保持するかが非常に重要になってきます。
強いうがいはドライソケットを引き起こす可能性があるので、抜歯後1~2日は控えていただくようお願いしています。
血が止まらなかった場合
自宅に戻られてからも出血が止まらない場合は、基本的にはガーゼを噛んで圧迫することで止血していただきますが、かなり出血が多い時は、医師が再度止血処置を行いますのでご連絡の上ご来院ください。
湿潤麻酔の効果が切れると収縮した血管が開くことがあり、出血を引き起こす可能性があります。
また、座ったり立ったりして頭が高い位置にある状態では問題がなくても、就寝時に横になることによって頭が下がって出血したり、走るなどの運動や飲酒、長風呂などで血行が促進されたために出血したりすることもあります。
そのような抜歯後に控えていただきたいことは事前に十分にお伝えし、必要があればご来院いただいて止血などの処置を行っています。
腫れが引かない場合
親知らずを抜いた後の歯ぐきや頬の腫れに関しては、抜歯から2~3日ほど経ってからがピークになります。
一般的には抜歯した侵襲によって腫れが起こるのですが、抜歯した部分に細菌が入り込み、感染することでなかなか腫れが引かない場合は追加で抗生剤の投与することがあります。
喫煙・飲酒などに関して
親知らずを抜いた後は抗生物資の内服をしていただいていますが、薬を服用している間に飲酒をすると薬の効用が医師が意図している通りに得られない可能性があります。
さらに、アルコールは血流を良くする働きがあるため、再度出血が起きることが考えられます。喫煙についても、抜歯の際に限らず口内環境を考えると煙草は控えた方が望ましいということをお伝えしています。
痛みを感じる前に抜歯した方が良いケース
親知らずを抜歯するべきかどうか判断する際に大切になるのは、親知らずの手前に位置する歯です。奥歯は歯ブラシや歯間ブラシなどの補助器具が届きづらく、特に歯と歯の間の部分の汚れを取ることが難しい場所です。
親知らずがあるために日頃のケアが行き届かずに、大きなむし歯を作ったり、歯周病を引き起こしたりして歯槽骨が失われてしまうと、もう二度と取り戻すことは不可能です。
痛みや腫れ、しみる感覚などの症状は最初から出てくるわけではなく、ある程度進行してから自覚することが多いものです。
特に痛みなどを感じていなくても、早い段階で検査を行った上で必要があれば抜歯をおすすめすることもあります。
抜歯しない方が良い親知らずについて
親知らずがあっても、かみ合わせに問題がなく歯磨きもきちんとできている状態であれば、無理に抜歯せずに残していくケースも考えられます。
特に上顎の親知らずは、他の部分の歯を失った際に移植して使えることがあるため、大きな問題がなければ患者さまと相談して温存するのも選択肢です。
ただし、ぱっと見た状態では悪くないようでも、咬合の面から顎関節に悪影響を及ぼしている可能性も考えられるので、綿密な検査を行った上で判断する必要があります。