医院ブログ

2019.03.11更新

歯周病によりアルツハイマー病の悪化リスクがどれくらい高まるのかを調べた研究があります。

名古屋市立大学大学院の道川誠教授らが行ったマウスを使った実験によると、アルツハイマー病のマウスと、アルツハイマー病でさらに歯周病菌に感染させたマウスを比べた結果、約4カ月後には、歯周病菌に感染させたマウスの海馬に沈着したアミロイドβは、なんと面積で約2.5倍、量で約1.5倍に増えていたそうです。

また、アメリカ・フロリダ大学のLakshmyya Kesavalu(ラクシュミヤ・クサヴァル)氏などの研究グループが、アルツハイマー型認知症で亡くなった人の脳を調べたところ、歯周病の原因菌のリーダー格であるプロフィロモナス・ジンジバリス菌が出す毒素、リポポリサッカライド(LPS)が高頻度で検出されました。一方、アルツハイマー型認知症を発症していない人の脳からは、LPSは検出されていません。歯周病がアルツハイマー型認知症に影響を及ぼしていることがはっきりとわかったのです。

このアミロイドβが脳内にたまって認知症を発症するまでには、25年ほどかかると言われています。

厚生労働省の歯科疾患実態調査では、歯周病を発症する人の年齢のピークは45~54歳とされているのですが、ここに25年を足すと、アルツハイマー型認知症患者が急増する70代という年齢層とぴったり重なるのです。このことからも、歯周病とアルツハイマー病の関わりが推測されます。

脳の健康も守るためにも、今のうちから歯周病の予防、治療を行っていきましょう!

栄アイ歯科クリニック

2019.02.25更新

こんにちは、院長の田代です。

最近の研究によりアルツハイマー病の進行に歯周病が関係していることがわかってきました。

アルツハイマー型認知症を引き起こす原因となっているのは、‟脳のゴミ“と呼ばれる「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質です。これが脳内で記憶をつかさどる「海馬」を中心に少しずつたまっていき、徐々に脳細胞が圧迫することで壊死させ、どんどん記憶力が低下していきます。

そしてそのアミロイドβを生み出す原因の1つとなっているのが"歯周病"なのです。

歯周病を引き起こす歯周病菌が出す毒素によって歯肉などに炎症が起きると、血液中に炎症物質「サイトカイン」が流れ込みます。このサイトカインが血液に運ばれて脳に流れ込むと、アミロイドβが脳の中で増えるのです。

つまり、歯周病になると、脳にゴミがたまって、アルツハイマー型認知症の発症・悪化リスクが高まるというわけなのです。

(つづく)

栄アイ歯科クリニック

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